距離の制約を超えて、人と人、人と空間をつなぎ、あたかも同じ空間にいるような自然なコミュニケーションができる、MUSVIのテレプレゼンスシステム「窓」。その導入の輪は、業種・業態や規模を問わず、様々な企業・団体へと広がってきています。
今回お話を伺ったのは、株式会社地区宅便様です。2022年9月に物流大手のセイノーグループに入り、メール便業界での実績やノウハウを活かしながら、ラストワンマイルの配送ネットワークを構築し、業界を常にリードしています。オフィスリニューアルを検討するタイミングで、本社と支店であわせて6台の「窓」を導入いただきました。
東京と千葉にある本社に加え、札幌などの遠隔地にも「窓」を設置し、各拠点間とのやり取りにご活用いただいています。遠隔地とリアルタイムでのコミュニケーションを実現させるうえで、「窓」はどのように貢献できたのでしょうか。導入当初の様子や現在の活用方法、導入前には想像できていなかった「発見」についてインタビューしました。
【今回お話を伺った方】
株式会社地区宅便様
取締役常務執行役員管理本部 本部長 加藤様
管理本部企画部企画課 丸山様
経営企画室主任 根本様
本社と拠点を6台の「窓」でつないで、”壁”をなくす。社員の日常に溶け込ませるための工夫や取り組み
― 「窓」を導入いただいた経緯をお聞かせください。
初めて「窓」を知ったのは、オフィスのリニューアルの際の参考に、コクヨ様のショールームを見学したときです。社長とオフィスリニューアル担当のメンバーが見学に伺ったところ、設置されていたのが「窓」でした。品川のショールームと大阪本社が「窓」でつながっている様子はとても鮮烈で、問い合わせさせていただきました。
その際に同席していなかった社員も、後日MUSVIの横浜ポートで「窓」を実際に見て体験して、導入推進派になったほど。実際に見てみないと、分からない部分も大きいのだと思います。
― 「窓」を導入していただくお客さまの多くが、「まずは2台から」と使いながら少しずつ導入台数を増やすケースが多いのですが、一気に6台導入されましたね。各支店にも導入していく上で、周知やレクチャーは大変だったのではないでしょうか。
現在は、本社の2台に加えて頻繁に連絡が必要な遠方の4拠点に各1台設置し、計6台を導入しています。社員が慣れるまでに時間がかかるかもしれないと考え、導入直後は「窓」を社員に周知するためSharePointに専用のページを作成し、注目が集まるよう発信しました。もともと導入プロジェクトに関わる社員たちの連絡用として、「窓」の使い方や情報などをまとめており、それを流用する形になったのですが、「窓」自体を全く知らない社員に対して良い周知になったのではないかと思います。
当初、社員によっては、常に「窓」を通して姿を見られることに抵抗があるという声も聞かれました。まずは「窓」の存在に慣れてもらおうと思い、特にアクションは起こさず置いておくだけにしていた時期もあります。本社では置き場所を変えたり、社員の反応を見ながら、試行錯誤を繰り返しました。社長をはじめ、拠点に行く営業の部長や課長が積極的に使ってくれたのも大きかったです。
特に盛り上がったのは、本社と支店の社員がそれぞれ6台の「窓」の前に立ち、コミュニケーションをとったときです。使い方のレクチャーというよりも「窓」で本社と全拠点をつないだだけなのですが、社員にとっては、それまでにはなかった臨場感や双方向でのコミュニケーションが鮮烈だったようです。
―実際に使ってみることが、活用への一番の近道ですよね。お客さまの中には、設置したものの最初の頃はカーテン(画面をぼかしたり、音声をミュートしたりすることでつながり感を調整する機能)がいつも降りたままになっている、というケースもたまにあります。我々も定着に向けてお手伝いするのですが、御社のお話を伺っていると、序盤から現場の皆さんが積極的に関わることで、とても活用が上手くいっていらっしゃる印象を受けました。
確かに、当社でも、導入当初はカーテンを降ろしたままで、「窓」の向こうの様子がわからないことがありました。そのため、「カーテンを開けてください」と通知メッセージを送ったこともあります。「窓」を介して見られること、覗かれることに抵抗があった社員もいたようです。
今では良い意味で慣れたのか、休憩時間などを除いて、どの支店もカーテンを降ろさずに活用しているようです。「窓」があることによるストレスがなくなって、日常にすっかり溶け込んでいますね。
ただ、「窓」を使うよう会社が細かく指示を出した訳ではありません。推進担当の二人(丸山様・根本様)が「せっかく導入したのだから活用しよう!」と引っ張ってくれましたし、各拠点ではやる気のある人が手を挙げてくれ、推進してくれました。今では、本社だけでなく各支店の社員も積極的に使ってくれています。活用方法に関しては、各支店にまかせています。
鮮明な画面とリアルタイムなコミュニケーションで業務の効率化を推進
― 実際にはどのような活用をされていますか?
主に本社と支店間のコミュニケーションで役に立っています。書類の内容を確認し合う際、今まではファックスを送信してやり取りしていたのですが、紙に影ができてしまったり、白黒だったりして不便さを感じることもありました。「窓」があれば紙の文字やデータが鮮明に映るうえ、リアルタイムで確認できます。
また、元々知っていた人とは「窓」で何度も会えますし、それまで会ったことがなく、名前しから知らなかった人とは顔見知りになれたのがとても良かったです。今のご時世、全社員が集まるようなイベントはなく、出張等を除けば遠くの拠点の人と会う機会はなかなかありません。会うのは「窓」のみ、とも言えますね。
さらに、社内のコミュニケーションだけでなく、何度か採用面接にも使いました。札幌支店に採用面接に訪れていた方と、本社にいる配送部の部門長を「窓」でつないで面接したことがあります。他のビデオ会議システムを使って面接するケースもありますが、「窓」のほうが相手の雰囲気がわかりやすいので、活用しているのではないでしょうか。
― 逆に、ご要望はありますか。
アップデートが自動で適用されると助かります。あとは、「窓」の画面を分割して一度に2カ所以上の支店とコミュニケーションが取れるといいですね。2台だと1対1でのコミュニケーションが想定されるため、画面を分割する必要はないと思いますが、当社では6台導入しているので、画面を分割して同時に複数の支店の「窓」とつなぐことができたら便利だと思います。
離れた場所でも一緒に働いているような感覚を生み出し、オフィスの空気感を良い意味で“かき混ぜる存在”
―「窓」を取り入れてから、何か変化を感じることはございましたか
本社と支店という離れた場所同士でも、「窓」を通してお互いの環境や雰囲気をイメージできるようになりました。本社と支店の垣根がなくなりましたね。音声をミュートにしていても、「窓」の前を通り過ぎるだけで何となく雰囲気を感じられます。いい意味でお互いを見守っていて、刺激し合えているのではないでしょうか。
先日も、本社に出張で訪れていた社員を「窓」で他の支店にいる様子を見かけたときは、つながりができているようで嬉しくなりました。他の支店にいる社員が、こちらに向かってお辞儀や手を振ったりしているのを見ると、特に会話はなくても出社や退勤するタイミングが感じられます。同じ空間ですれ違うときのようなやり取りが、遠隔地の支店ともできています。
当社はさまざまな会社や人が合流して生まれた会社で、支店や業務内容によって異なる雰囲気や文化があります。それが「窓」でつながって、一緒にオフィスで働いているような自然さを感じられるのはとても大きいです。言うなれば、オフィスの空気感を良い意味で“かき混ぜる存在”です。導入前には感じられなかったことですし、仮に今「窓」がなくなったとしても以前の日常とは違っていると思いますね。
― 「窓」を活用して、より社内の雰囲気が良くなったと感じていらっしゃるのですね。最後に今後の活用についてお聞かせください。
画面の鮮明さを活かして、展示会でも使ってみたいです。展示会にいる方々に本社から説明することもできそうですね。
セイノーグループとして、直接仕事でのつながりがないグループ会社とも「窓」でコミュニケーションをとってみたいですね。当社はメール便の事業がメインですが、ネットスーパーや置き配などを手がけているグループ会社もあり、同じ物流業界にいる仲間です。グループ会社にも「窓」を置いて、現場同士で話したり仕事の様子を見たりすると、新たな発見がありそうです。
― ありがとうございました。