清水建設株式会社様総合建設業
現場の詰所・事務所・本社の3拠点を接続し、打ち合わせや情報共有に活用

これまで培ってきた習慣から新しい働き方にシフトする過渡期にあるいま、欠かせないのは、人間同士のコミュニケーション。あたかも目の前に相手がいるかのような自然なコミュニケーションができるMUSVIのテレプレゼンスシステム「窓」は、距離の制約を越えて人と人の目に見えない想いを結びます。

今回取材させていただいたのは、大手総合建設業者である清水建設株式会社様の土木事業部門です。同社は1804年に江戸・神田鍛冶町に大工店として創業した伝統ある企業で、日本を代表する建設業者の一つ。国内の主要な道路や空港、ダムなどの重要なインフラを数多く手掛けてきました。さらに、現在は働き方改革や環境への配慮といった時代の要請に応じて、柔軟かつ先進的な取り組みを積極的に進めています。そのため、従業員の働きやすさを追求し、新しい技術や方法を取り入れることで、持続可能な社会の実現に向けた貢献も行っています。

清水建設様には、都内にある本社と神奈川県にある現在工事中の大規模土木工事現場の事務所、そして現場内の詰所の計3個所に「窓」を設置し活用いただいています。これからの時代に沿った働き方改革の推進や、建設業界を取り巻く課題を抱える土木現場。その課題を乗り越えるべく、「窓」は解決の一手段となり得るのか。「窓」を導入して約半年が経過したいま、実際の活用状況や今後の活用の可能性についてインタビューしました。

・清水建設株式会社 檜 一茂様

革新を続ける土木業界。伝統と新しい働き方を結ぶ「窓」の可能性とは

目的
・移動時間の削減、コミュニケーションリスクの低減
・遠隔コミュニケーション(本社・現場)への取り組み
導入経緯
販売パートナーであるセーフィーからの紹介
活用方法
現場の詰所・事務所・本社の3拠点を接続し、打ち合わせや情報共有に活用
効果
・音声・映像のラグがなく、コミュニケーションのストレスがない
・移動しなくても遠隔で現場と対面同等のやり取りができる
・取り組みに対する見学のお客様の高い関心

最前線の工事現場と事務所、本社を「窓」でつなぐ。異なる環境をリアルタイムでつなぐ「窓」の使い方とは

「窓」を導入いただいた経緯をお聞かせください。

以前から工事現場の状況を確認するためセーフィー社のカメラを数十台導入しており、そのご縁で「窓」を紹介いただいたのがきっかけです。我々の現場はICTの活用など先進的な取り組みに積極的で、移動の課題を解決できる点に関心を持ち、導入を検討しました。今は、事務所、現場の詰所、本社の3ヶ所を接続していますが、最初は事務所と詰所への設置から始まりました。

当初は事務所と現場の詰所を接続したとのことですが、どのくらい離れているのでしょうか? また、設置場所はすぐに決まりましたか?

距離としては約7㎞、車で片道30分ほどなので、往復すると1時間弱くらいかかります。事務所での置き場所は試行錯誤しました。当初、部屋全体が見えるような場所に置いたのですが、「窓」の近くにいる人のPCなどがずっと映ってしまうこともあり、現在は所長の席の近くに置き、管理職3名が見える位置に落ち着きました。

最近本社を含めた3ヶ所で「窓」の3地点接続機能も試されたと伺いました。お使いになったご感想はいかがでしたか?

ちょうど昨日、事務所、現場の詰所、都内にある本社の土木技術部や設計の部署をつなぎました。オンライン会議システムを使い、データは手持ちのタブレットで共有し、「窓」は人の映像だけを映してコミュニケーション専用として使用しました。

感想ですが、表情と雰囲気がわかるところが良かったです。会話をしながら「窓」で相手の姿を見るスタイルは、音声と映像のズレやラグもなく違和感はありませんでした。導入して半年、当社の通信環境も整ってきたところなので、今後は活用する機会が増えると思います。当面は技術レポートなどがまとまったタイミングで、現場と本社をつなぎ、やりとりを行う予定です。

普段はどのような場面で「窓」を利用していらっしゃいますか?

現時点では、主に事務所にいる管理職と現地の工事主任との間で使っています。
管理者同士で技術的な打ち合わせをすることが多いためです。また、離れている状態でも部下に指示がちゃんと伝わっているかどうか、本当に大丈夫なのかを見ています。以前はチャットや電話だけではなかなか雰囲気が分からず、把握できないときは現場から事務所に来てもらうことがありました。実際に話してみて伝わったかどうかを確認することは、現場ではとても重要です。その点、「窓」は音が途切れず、遠隔でも現場で確認しているようなことが成り立ちます。

本社側の「窓」は基本的にカーテン(映像がぼやけて音も聞こえなくなる機能)が掛かっているため、使用するタイミングとしては、こちらから声を掛けてつなぐ事が多いです。実際にお互いの「窓」をオープンにして話してみると、「せっかくなのでこれも聞いていいですか」などの質問が出てくることがあります。本来なら、そのような会話がもう少し「窓」越しにできるといいですよね。

コミュニケーション不足から生じる「こじれ」をほどく。「窓」を活用した課題解決の展望

どんな業界においても、現場と管理側の間はコミュニケーションの課題があるかと思います。土木業界ではどのようなやりとりを行っているのでしょうか?

大きな会社の組織になると本社や支店の管理者は数多くの現場を抱えるため、各々の現場に頻繁に出向くことは出来ないと思います。現場は会社の最前線で、その成果が売上に直結しますのでお互いの意思の疎通が大変重要だと思います。ただ、本社や支店が掲げる目標に対して、現場は人材不足や働き方改革などさまざまな課題を抱えており、コミュニケーションが不足すると現場との間に「こじれ」が出てくることもあると思います。

本社や支店と現場とのコミュニケーションが、月に数回程度のメールや電話だけのような少ないやりとりになると、お互いにすれ違ったままで衝突してしまう関係になりやすいと思います。お互いに「言っていることは分かるけれど感情的に納得できない」といったようなことが起こる背景には、やはり対面でのコミュニケーションが不足している事が大きいのではないでしょうか。このような課題は「窓」を使うことで解消できる可能性はあると思います。管理側と主要な現場にそれぞれ「窓」があり、ちょっとした打ち合わせが対面でできるようになるとお互いの立場への理解が進み、会社の業績にも寄与出来るのではと思います。

もちろん重要な議題については事務所などに集まってもらい会って話をしていると思いますが、距離や時間的に難しい場合も多いので、今後は「窓」を使う事でスムーズにコミュニケーションをとることができるかもしれません。

日常の中で「窓」を活用する場合、やはり移動問題の解決がメリットでしょうか?

当事務所は大きい現場が2つあります。それぞれのエリアとは7~8kmほど離れており、車で片道30分ほど掛かります。状況により多少変わりますが、少なくとも2日に1度くらいのペースで現場に足を運び、現物を確認しています。

本来は、短時間でも1日に1回くらいは何か話せる機会があった方が良いですよね。昔の「夕礼」のような感じで、顔を合わせて、「今日どうだった?」、「今日は〇〇でした」、「そうか、ありがとう」くらいの会話があると本当は良いと思います。ただ、それをやろうとすると移動時間がかかります。「その時間がもったいない」と考える現場は、本来あった方がよいけれどやれないでいる、ということだと思います。

うちの現場で言えば、1ヶ所につき往復約1時間です。効果としては、「窓」でその時間を省きつつ、円滑なコミュニケーションが成り立つということになりますが、単に時間を短くできるだけでなく、気軽にコミュニケーションがとれることがメリットとして大きいと感じます。以前と比べて工事の発注ロットが大きくなり、関わる人数や事務所が増えてきています。さらに在宅勤務や委託・派遣など働き方が複雑になっており、コミュニケーションミスのリスクは上がっています。その分ニーズは高まっていると思います。

建設業界では、これまで以上にコミュニケーションの重要性が高まっているということですね。「窓」を使う対象も広がる可能性があるのでしょうか?

はい、私は現地の工事主任と1日3~4回は電話していますが、詰所に「窓」があればそのコミュニケーションが電話から置き換わると思います。また、土木の現場は人手不足の課題があるため、派遣社員さんにも弊社社員と同じように働いてもらっていて、戦力として頼りにしています。そのため「窓」が新たに設置されたら、所内全体とのコミュニケーションにも活用したいと思います。

社外の反応に驚き、新しい働き方を支える「窓」の可能性

「窓」を見られた社内外の方の反応はいかがですか?

「窓」を見られた社内外の関係者の方の反応はとても良く、興味をお持ちの様です。
例えば弊社の東南アジアにある現地法人の方たちは特に興味を持たれていました、国際工事は距離の制約が大きいため、頻繁に直接コミュニケーションを取ることはとても難しいからです。使用する状況によるとは思いますが、コスト面も、それほど高くないと感じられる方が多いです。

PRしていただきありがとうございます。ご覧になった皆さんはどのような点に興味をお持ちなのでしょうか?

皆さん共通しているのは、対面でコミュニケーションを取りたいという点だと思います。土木業界の昔からの慣習として、朝早くても事務所に寄ってから現場へ行き、終わりが遅くなっても事務所に寄ってから帰る、というのがありました。さらに、夜は必ず現場が終わってから、現場から戻った人たちと事務所の所長で「夕礼」をしていました。その日の業務を報告したり、翌日の流れを確認したり、一定の時間をかけて行っていました。

しかし、今は働き方改革を進めており、現場内には内業が可能な事務所を設置し、電気・水道・インターネット環境などを整えています。昔のように事務所に寄らずとも、現場に直行直帰でキチンと仕事ができるようになりました。一方で、現場に直行直帰できるようになった分、会話の機会は減っています。その補完として「窓」の利用ができるようになるのではないかと、皆さん思っているのだと思います。

働く環境の変化と合わせて、コミュニケーションへの関心が高まっているということですね。今後活用していくにあたって、改善してほしい点はございますか?

資料共有の機能があるといいですね。「窓」は音が良く、ずっと相手(画面)を見ていなくても会話が成り立つので、携帯の写真やカメラの映像を表示・共有できるとさらに良いと思います。
また、「窓」がある所ならどこでもつなげられるようにしたいですね。各現場に「窓」が設置されていても、通信環境によって使えないようなことがないよう整えてほしいです。

今後ご利用いただく機会が増えそうですね。また取材の機会をいただければ嬉しいです。貴重なお話をありがとうございました。

参考:
https://www.shimz.co.jp/company/about/outline/

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