プレスリリース

「窓」を活用した遠隔オンライン診療の実証実験について

MUSVI株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役/Founder &CEO:阪井祐介)は、医療機関の協力の下、2023年1月より遠隔診療においてテレプレゼンスシステム「窓」(以下、「窓」)を活用した遠隔オンライン診療の実証実験を行いました。その内容と結果についてご報告するとともに、各地の医療機関や関連事業者と連携しながら、「窓」の活用可能性を広く社会に示すような取り組みを支援してまいります。

■実証実験の概要

<実証実験の経緯および目的>

当社は、みやざきRCクリニックを運営する医療法人社団M-FOREST (所在地:東京都品川区、理事長:宮崎雅樹)の協力を得て、2023年1月より「窓」を活用した遠隔オンライン診療の実証実験を開始しました。

宮崎医師はオンライン診療の第一人者の1人であり、以前から複数のサービス・カメラ等を利用していましたが、患者とのコミュニケーション、入室・着席時の振る舞いや姿勢の確認等、音声および映像において課題を感じていました。さらに、医療過疎地(へき地医療)での診療にあたっては、医師の移動に伴う時間・距離的制約や心理的な負担、季節や天候による交通事情の悪化等について、解決策を模索していたことから、「窓」を活用した遠隔オンライン診療の実証実験の実施に至りました。

<実証実験の概要>

  • 実施場所:山梨県の山中湖村立平野診療所(以下、平野診療所)と東京都品川区のみやざきRCクリニック
  • 実施期間:2023年1月~9月 
    ※山中湖村は寒冷地のため、積雪や道路凍結による通行止め等が起きやすい冬季から実施
  • 診療方法:毎週月曜午前中の診察に際して上記2カ所を「窓」で接続し、品川にいる医師が平野診療所の患者に対して遠隔オンライン診療を実施。医師は「窓」越しで問診を通して患者と会話。医師の指示に従って看護師が血圧測定などの検査を行い、検査結果を医師に報告。医師が病状を判断して処置および処方をその場で決定。その内容を電子カルテに入力して医師間で情報を共有。これにより平野診療所を休診することなく診療所運営が実施可能。
  • 遠隔オンライン診療した患者数:約234人

<実施の結果>

診療後、患者からは「特に気にならず問題ないです。積極的に進めてください」や「子供も違和感なく対応。医師の顔が大きく見えて、音声もクリアで普段(対面)と変わらずに受診できた。全く問題無いと思うので続けてほしい」といった声をいただき、休診となるよりはオンライン診療でも診療してほしいという意見が大勢を占め、反応は概ね好評でした。

また、医師・看護師からは「従来のウェブカム・PCを活用したオンライン診療に比べると、大画面の『窓』ではお互いの表情も含めた視覚情報をしっかり得られる」、「音も含めてより多くの判断材料を得られた。外科的治療を必要としない診察・処方診療においては利用上の大きな問題はないと思われる」、「対面同様の自然なコミュニケーションが可能。患者との安心感や信頼感が醸成された」などの使用感が確認されました。

<実験に参加した宮崎医師のコメント>

対面診療の全てを遠隔オンライン診療で置き換えることは難しいですが、疾患や患者さんによってはメリットの大きい方も数多くいます。比較的余力のある都市部の医療機関に所属する医師が、医師不足の地域住民に対して医療サービスを提供するということは、今後の医療サービスの維持に大きく寄与するものであると考えます。

これまで診療所外や自宅でのオンライン診療の実施は離島やへき地に限られていましたが、2023年6月1日公表の政府の規制改革推進会議答申案では、「都市部を含め、このような診療所を開設可能とすることについて引き続き検討し、結論を得る」と明記されました。オンライン診療の拡大により地域医療の向上、医療人材・リソースの有効活用を推進する一手段になることが期待されます。

当社は、今般の実証実験の結果や規制緩和の動き等を踏まえ、デジタルテクノロジーの力で人々の生活をより豊かにすることを目指し、各地の医療機関や関連事業者と連携しながら「窓」の活用可能性を広く社会に示すような取り組みを支援してまいります。

以上

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