
仙台市がオンライン診療車の実証を重ねている。NTT東日本や東北大学、仙台市医師会など産学医を巻き込みながら対面に劣らない診察を目指し、遠隔でも操作できる医療機器の改善を推進する。全国に先駆けて人口減少が進む東北は医師不足が深刻だ。
持続可能な医療体制の構築に向けて一つのモデルになり得る。「普段と変わったところはないですか」「よく眠れていますか」――。
4日、仙台市在住の二宮克信さんは市が自宅近くに止めたオンライン診療車のなかで、あんどうクリニック(同市)の安藤健二郎院⻑(市医師会会⻑)から診察を受けていた。(中略)
ソニー出身者が立ち上げたスタートアップ、MUSVI(東京・品川)が開発した「窓」は画面や音響技術を用いて双方向にほぼ遅延のない意思疎通を可能にする。対面での診察には及ばないものの、患者の顔色などの様子は「大きな画面で解像度もよければだいたい分かる」(安藤院長)。
(中略)
仙台市のオンライン診療車は過疎地域の医療体制に一筋の光をもたらす。その取り組みが全国に広がるかは、国の制度設計の在り方にもかかっている。
▼仙台市のオンライン診療車
仙台市はNTT東日本や仙台市医師会と共同でオンライン診察車の実証を進める(4日、同市)